jazz and freedom and records

ジャズ レコードを聴きながら勝手気ままな戯言日記、暇つぶしにどうぞ・・・・・

本流は外さない ・・・・・ IN HIGH PROFILE / DICK KATZ

真夏のような暑さの中、出かけた序でに円盤屋を覘いた。何処となく薄気味が悪いカヴァと、マイナー過ぎるKATZとなれば、一旦は手にしてもエサ箱に戻す確率は低くない。けれど、サイドのメンバーを見ると、誰一人として無名な者はいない。こうなると決め手は曲ですね。なかなか良い選曲がされ、中でもコルトレーンの”Cousin Mary”が目を引きます。畑違いのような感じですが、演奏時間が一番長く、トリオ演奏になっていて、逆に興味が湧きました。KATZ(カッツ)が参加したレコードでは、リーダー作”PIANO AND PEN”(ATLANTIC)がまず頭に浮かびますが、買った記録があるけれど、どこかに入り込んだのか、処分してしまったのか記憶が戻らない。サイドではコニッツの「ワース・ホワイル」やドーハムの「ジャズ・プロフェッツ Vol.1」等々が挙がり、実力は間違いありませんが、白人に有り勝ちな洗練さが災いして「知る人ぞ知るピアニスト」の名に甘んじている。J・ルイスとイメージが被る所もあり、実の所、あまり聴きこんでいない。

録音は1984年5月、NYで録音、レーベルはBee Hive。トリオとクィンテットが其々、4曲ずつです。1984年なのにMONO録音されており、レトロなサウンドが結構、良いです。そんな中、J.J.ジョンソン作の有名曲”Lament”(トリオ演奏)を軽いボッサのリズムに乗せ、サラッと仕上げるカッツのpが実にイイ。今までこの曲の良さが分かりませんでしたが、やっと人並みになりました。コルトレーンの”Cousin Mary”も自分の文脈に落し込みしっかりと弾いてます。出来ますね、この人。

全体を通して、特別な何かを感ずるレコードではないけれど、さりとて面白みに欠ける演奏でもない。主流とは言わないけれど、本流は外していない。